あなたは、最短距離で効率よく契約を締結させることは得意ですか?売るという行為は資本主義においては最も重要なスキルです。ペンもコメも饅頭も売れなければ、誰も作りません。イチロー選手のように野球が上手くてもその技術が売れなければ(契約してくれる球団がいなければ)、ごく普通のサラリーマンをしているかもしれません。そして、どこの企業も自分の労働を買ってくれなければ、無職です。
企業から、個人まで契約を締結させることは資本主義においては、最も重要なスキルです。それにもかかわらず、クロージング(契約締結)の技術を学ぶ機会はほとんどありません。今回は、即決クロージングの12ステップを解説します。
1.直ちに会話をコントロールする
これが、即決クロージングの第一歩です。会話の主導権を握ること、これはラポール形成にとっても重要なことです。会話をコントロールするというのは、威圧的に話すことでも、喋り続けることでもありません。いわゆるマウントを取るという状況ではなく、専門家として単刀直入にスパッと本題に入るというイメージです。
2.情報収集
ステップ2は情報収集です。相手のことを知らなければ、適切な提案はできません。これは商品販売でもそうですし、プロスポーツ選手のスポンサー契約などでもそうです。人にはそれぞれ異なるニーズや願望があります。このニーズと願望、そして予算を早めにあぶり出すことが重要です。
3.ラポールの形成(情報収集と同時に)
ラポールは信頼関係というふうに訳されることが多いです。間違ってはいないのですが、一つ信頼関係との違いを解説するとラポールはその場の支配者に形成されるということです。例えばですが、デートにお化け屋敷が良いと言われますが、その時彼氏の方も怖がってしまい、女の子を放ったらかしにして逃げ出すような男では上手くいかないでしょう。(ちなみに私です。お化け屋敷は本当に無理です)。
デートにお化け屋敷が良いと言われるのは、女性の方が怖がる中で、男の方が適度に怖がりながらも、しっかりとリードし、場の支配者となるからそこにラポールが形成されるのです。セールスや交渉の場においては、専門家として相手の話を親身になって聴くからこそ、そこに場の支配者としてのラポールが形成されます。
4.転換
ここでは、プレゼンへと転換を行います。転換を行うのは情報収集の結果、相手が自社商品を買うべきだと判明したケースのみです。もう少し具体的に言いますと、「ここまでご回答いただいた内容から、判断しますと、〇〇さんには弊社の〇〇という商品が絶対にピッタリです。こちらの商品と、どうしてその商品が〇〇さんの役に立つのか、説明させてください」のように、移行します。ここでは聞き手から、話し手へと移行します。
5.プレゼン
ここではあなたの商品やサービスの特徴から導き出されるメリットを相手に解説します。プレゼンは情報収集から得られた情報を元に相手に合わして若干アレンジすることが必要です。プレゼンで重要なのは、論理です。人は感情で買うと言いますが、感情だけで買わせるのは、公平な取引になりません。必ず、論理が必要です。
6.買うかどうかを聞く
プレゼンの最後には、必ず相手に買うかどうかを聞いてください。口調や言い方は需要になってきます。「非常にリーズナブルな提案だと思うのですが、いかがですか?」のような言い方で、大丈夫です。
7.反論への対処
セールスパーソンの本当の仕事は相手に「もう少し考えさせてください」、「うーん、なんとも言えないです」、「妻と相談させてください」と言われてから、始まります。ここでは、一度見込み客の方に同意してください。そして、相手から少なくともイエスをもらいます。「もう少し考えたいとのお気持ち、とてもわかります。その上で、一つだけ質問させてください。〇〇さんはこちらの商品を少しでも気に入っていただいていますか?」
8.再プレゼン
ここからもう一度プレゼンをします。相手の反論と関係ないじゃないかと思われるかもしれませんが、「もう少し考えたい」の8割は「もう少し考えたい」ではありません。ほとんどのケースが「もっと私を納得させてくれたら、買う」という意味です。悪い言い方をすれば、あなたの商品、会社、あなたに対する確信度が低い状態です。だから、さらにプレゼンを続ける必要があります。
9.行動の閾値を下げる
人はそれぞれ、異なる行動に閾値があります。私は比較的簡単に買ってしまいます。一生懸命説明されたから、かわいそうだから買ってあげようと思ってしまうこともしばしばです。ここには人の性格が、かかっており、私は比較的思い立ったらすぐ行動するタイプの人間です。この時、人間は常にリターンとリスクを天秤にかけて、行動を決めます。私はリターンの方に目がいくタイプの人間です。一方で、ほとんどの人はリスクに目がいきます。この購入に伴うリスクを上手く下げて上げることで、行動の閾値が一時的に下がります。
10.痛みを強調する
痛みを強調するというのは、買わないデメリットを強調するということです。ただし、脅迫めいた言い方ではありません。「もし、ここで始めなければ、今後の収入ってどうですか?」というふうに、行動しないデメリットを本人に再確認してもらうということです。決して、「あなたには霊が取り憑いているので、ここで取り払わないと大変なことになりますよ」という脅しではありません。
11.成功を思い描かせる
全ての、行程の最後に、成功を思い描いてもらいます。成功というと大げさかもしれませんが、例えば、アウトドア系の車を買うなら、車を買うことはゴールではなくて、家族で週末に海、川、山に出かけてバーベキューをするなど、幸せな時間を作るのがゴールです。車はその手段に過ぎません。
これを確認して、お客様にあなたの商品と幸せが結びついていることを認識してもらうことが重要です。人は買った時は、嬉しいですが、やがて忘れていきます。これではリピーターは作れません。
12. 契約締結
そして、最後に契約締結です。「〇〇さん、素晴らしいですね。こうやって、考えていくともっと早く購入されなかったのが、もったいないくらいに感じるのですが、いかがですか?」のように最終的に契約を締結します。
どうでしょうか?今回は直線説得法の12ステップについてお伝えしました。営業経験の浅い人や、これまで直線説得法について学んだことが無い人は、これらの要素を抑えるだけで、売り上げは2倍になります。もっと学んでみたいという方にはPDFでより詳しく解説していますので、下記のURLよりご覧ください。
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