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執筆者の写真池上秀志

直線説得法マスタープログラムとは何か?

直線説得法マスタープログラムで解説することは、全て下記の一点の目標に絞られます。

新規顧客を開拓し続け、売り上げを上げ続けること

 そのために必要なことは煎じ詰めれば下記の一文に集約されます。

興味のある人を集め、その中から自社商品・サービスを購入すべき人を見つけ、実際に買うように説得する

上記の項目が達成されれば、本質的にはどのようなやり方を用いてもよく、名称もなんでも構いません。私が使っているセールススキルには直線説得法という名前がついていますが、実際には何かはっきりと目に見える必殺技があるわけではありません。上記の項目を達成するために、必要なことを多角的に考察し、理論から実践へと落とし込めるようにしているのが、このプログラムです。

 世の中には様々な販売戦略がありますが、そのどれもが一長一短をもち、どれかが常に絶対的に正しいということはありません。ただ、色々ある中でも本質は変わりません。直線説得法マスタープログラムはこの本質にアプローチすることで、様々な業種、販売手法に応用可能なものになっています。

 本プログラムでは、訪問販売、または電話営業をメインとして話を進めています。それも問い合わせのあった相手に訪問したり、電話をしたりするのではなく、まっさらなリストを開拓していくというシチュエーションを想定しています。そのため、往往にして電話営業や訪問販売でしか使えないと勘違いされてしまうのですが、そうではありません。商品販売を考えた時に、最も難しいのがまっさらなリストへの電話(いわゆるコールドコーリング)と訪問販売です。これができれば、後はどのようなやり方を用いても上手くいきます。またコールドコーリングと訪問販売は、顧客リストも宣伝広告費もないという方でもできます。したがって、予算が多く取れない中小企業の社長さんやこれから起業したい方や最近起業したばかりの方でも、可能です。

 換言すれば、ゼロから1を生み出すことのできる技です。この技術は、どんな業種においても非常に重要な技術です。極論すれば、世の中に起業したいと思っている人はたくさんいるのに、起業しない(できない)のはこの0から顧客を開拓する方法を知らないからです。

 またこれは予算が潤沢にある経営者の方にも考えて頂きたいことなのですが、新入社員を雇う時に、どの会社の社長さんも初めの数ヶ月は赤字は当然覚悟していると思います。赤字というのは会社全体での赤字ではなく、月20万円で雇った新入社員が初月から30万円の粗利益を会社にもたらしてくれるとは、考えていないと思います。ある意味ではこれは仕方のないことだと思います。

 ただやはり、経営者の方々の本音としては1日も早く払っている給料以上の利益を会社にもたらして欲しいと思っているのではないでしょうか?それを可能にするのが、セールスの構造を分解し、最も抽象的な部分から最も具体的な部分まで段階的に理解し、そして実際に実践できるようになるまで反復することです。

 また大きな会社で出世したり、父親、祖父の代から引き継いだ2代目以降の社長さんにもこれは考えて頂きたいことです。2代目以降の社長さんは、良くも悪くも新規顧客の開拓をしなくても会社をまわせてしまいます。それはそれで素晴らしいことだと思います。既存顧客の信頼を得て、会社を回していくことも簡単なことではありません。ややもすればすぐに既存顧客は落ちてしまいます。

 その一方で、考えて頂きたいのは現在の既存顧客はかつては新規顧客だったということです。先代の方が知恵を振り絞り新規顧客獲得に奔走されたのが、現在の既存顧客なのです。もちろん、頭では分かっておられるとは思うのですが、良くも悪くも現状維持で上手くいってしまうので、経営者を10年、20年やっていても新規顧客の獲得が盲点になっていたりします。なぜ私がそこまで言えるかというと、私の父がそうだったからです。私の父は2代目社長で、先代は父親の義理の父親です(つまり私の母方の祖父です)。

 私の父は経営者として尊敬できる方なのですが、どうしても自分で顧客の開拓に苦労した経験がないので、新規顧客の開拓には弱いです。毎月既存顧客にカタログを送るだけで、月に数千万円の売り上げが上がってしまいます。商品もない、顧客もいない、資本金もないという状況から、コストをかけずに新規顧客を開拓してきた私にとっては、羨ましい限りですが、新規顧客を開拓できなければ、どうしても長期で考えると、売り上げは減少しています。見た目の安定とは裏腹に危うさも潜んでいるのです。

 一方で、新規顧客を開拓し続けている社長さんは、見た目にはあくせくネズミのように働き続けてまさに「貧乏暇なし」という印象を受けるかもしれませんが、実際には商品を変えても、地域を変えても新規顧客を獲得し続けることができるので、商売に支障が出ません。

 ただし、レバレッジを効かせるという観点から考えると、自分が肌でわかっているというだけではなく、自分と同じセールススキルを何人の社員が身につけているかという観点からの考察も重要です。自分は体で覚えていてうまく商品販売出来るけど、人には上手く教えられないという経営者の方や営業部長の方のお声もよく聞きます。この直線説得法マスタープログラムでは、体系立てた新規顧客の開拓術を伝授いたします。更に言えば、セールスとは要するに交渉術なので、今後どのような交渉の場においても自信を持って臨めるようになります。具体的な内容は以下の通りです。

1.セールスとは何か?

 第一回では、セールスとは何かというテーマから入ります。セールスのゴールとは何か、セールスの本質とは何かというテーマです。実はこの出発点を見誤っているセールスパーソンが非常に多いです。この出発点を間違えるとそのあとの行動は全て間違ってしまいます。ほんの一例を挙げておくと、セールスとは上手に出て相手を言い負かしたり、買ってくださいと下手に出てお願いすることだと思っている人が多いのですが、それは間違いです。セールスとは自社商品・サービスを買うべき人を見極めて、買うように説得することです。この出発点を間違えると同じような内容を喋っていても態度や口調が変わってしまいます。

 もう一例を挙げておくと、セールスとは誰がなんと言おうと数をこなしてなんぼの世界です。多くの人と話せば話すほど、あなたの収入は増えます。ところが、この原則を無視する方が非常に多いです。少ない分母で多くの契約を取ろうとするのは、非常に危険な考え方です。何故なら、往々にしてあなたの会社の商品・サービスを購入すべきではない人に売る(売ろうとする)ことに繋がるからです。これは専門家として恥ずべき行為だと認識すべきです。専門家だからこそ、その分野に関しては他の人の役に立てないといけないのに、役に立たないものを売るのは自分で自分の価値を貶めることになります。世の中には絶対的に価値のある商品と価値の無い商品があるのではありません。ある人にとっては価値があるし、ある人にとっては価値がありません。それを適切に見極めてこそ、一人前のセールスパーソンです。

2.直線説得法とは何か?

 第二回は直線説得法の概要について解説します。二点間を結ぶ最短距離は直線です。見込み客とのファーストコンタクトから契約が決まるその瞬間まで、最短距離で移動するのが、直線説得法です。セールスパーソンの仕事は買うべきではない人に買わせることではありません。買うべき人に最短距離で説得するのがセールスパーソンの仕事です。では、その最短距離で説得する最も効率の良い方法とはどのようなものでしょうか?一言で言えば、商品・サービス、会社、セールスパーソンの3つの要素において感情と論理の両面から信頼度、確信度、好感度を最大限に高めることです。それと同時にそのプロセスを通じて顧客との信頼関係を築きます。

 この全体のプロセスを通じて、鍵となるのはそれをできるだけ効率よく、最短で達成するということです。なぜなら、セールスとは数をこなしてなんぼの世界だからです。その全ては効率よく行われなければいけません。そうでなければ、あなたの時間も見込み客の貴重な時間も失われてしまいます。

3.初めの4秒間

 人間は接触して初めの4秒間で相手を判断します。これは無意識レベルでの話です。ほんの一例ですが、私がいくら良いことを話していてもそれが、アキラ100%さんと同じ格好だったら誰も話を聞かないと思います。これは潜在意識のレベルで拒否されるので、そのあとでいくら論理的に良い話をしても無駄になってしまいます。

 これは服装だけではなく、声の口調や身体言語などの総合判断です。この章では、初めの4秒間で相手からどう受け取ってもらいたいのか、どうすれば自分の狙い通りの印象を相手に与えられるかを解説します。

4.見込み客の見極め方

 セールスとは数をこなしてなんぼの世界です。ただし、これはとにかく全員にプレゼンをして、クロージングするという意味ではありません。買わない人は買わないのだから、これは時間の無駄です。できるだけ数をうとうと思ったら、あなたの会社の商品やサービスを買うべきではない人は出来るだけ早くリストから削除しないといけません。

 ではどうすれば、見込み客が自社商品・サービスを買うべき人かどうか見極めることができるのかということですが、それは簡単でヒアリングを行うことです。質問することです。この質問は全て適切な質問でなければいけません。ただただ聞けば良いというものではなく、質問の順番も大切です。同じ質問でも順番を間違えるだけで、相手から不信感を持たれてしまいます。逆に言えば、適切な質問を、適切な順番で、適切な口調と身体言語で行えば、信頼関係を築くことが出来ます。

 それは何故か?人は自分のことを理解してくれる人のことを信頼するからです。説得はディベートではないので、相手を論破することは失敗を意味します。セールスではいかに会話の序盤で見込み客と自分の間に共通のゴールを持てるかどうかです。これはスポーツにおける選手と指導者の関係性に似ています。指導者と選手の間に共通のゴールを設定するからこそ、二人でそこを目指して努力することができます。そして、その過程においては指導者が選手のことを理解することが大切です。セールスパーソンの仕事も同じようなものだと思ってください。

5.オンラインマーケティングを用いた見込み客の集め方

 この回ではオンラインマーケティングを用いた見込み客の集め方について解説します。同じ訪問販売や電話営業でも、まっさらなリストに一件一件訪問したり、電話をかけるよりも、向こうから問い合わせのあったところ、少なくともメルマガ登録などの何らかの反応があったところにアプローチする方が成功率は上がります。この回ではそのマーケティング手法について解説します。

6.プレゼンの仕方

 この回ではプレゼンの仕方について解説します。傾向としてはややプレゼンが過大視されているような気はします。一番大切なのは、商品説明ではなく、見込み客との共通のゴールを設定し、そのゴールに向かってあなたの会社の商品・サービスは何をできるのかということです。

 プレゼンで重要なのあなたの会社の商品・サービスの特徴とそこから導き出されるメリット(顧客の問題解決や願望実現にどう結びつくのか)です。プレゼンも感情と論理の両面から解説することが重要です。物語風にして感情を動かすことも重要で、なおかつ何故そうなるのかという論理も必要です。

 人は感情で買うというのは事実ですが、感情も含めて買うというのが正確なところです。私が消費者側にまわった時の例で言えば、うまい儲け話を持ちかけられた時、「10万円払ってくれれば、100万円にする」と言われれば心は動きますが、理屈で理解できないと詐欺かどうかの区別がつきません。うまい儲け話は全て詐欺という人もいますが、そんなことはありません。私は実際に上手い儲け話をいくつか経験してきました。ただ、その時に勿体ないなと思ったのが、セールスパーソンが全く論理的に説明できず、私と理性的な会話が出来なかったことです。最終的には捨てても良い金額を投資して、テストしてみたのですが、確かにうまい儲け話でした。ただ、どんなに腕の良い投資家でも、きちんと相手を説得できないと本人も見込み客も損をします。詐欺だと思われないためにも論理で説得するということは非常に重要です。

7.クロージングのかけ方

 クロージングは人によっては最も難しく抵抗があるかもしれません。ですが、プレゼンまでのステップを丁寧に踏んでいけば、難しくはありません。ポイントとなるのは口調と持って行き方です。さりげなく、確実に話を前に進めて、契約締結へと持っていく方法を伝授します。

8.反論への対処の仕方

 セールスパーソンの仕事は、ノーをイエスに変えることではありません。「もうちょっと考えさせてください」、「妻と相談させてください」をイエスに変えることです。反論という言葉は適切ではないかもしれませんが、見込み客は往々にして「もうちょっと考えさせてください」と言います。細かいテクニックで言えば、それをあらかじめ抑止するという方法もありますが、私は本質的ではないと思います。

見込み客が「もうちょっと考えさせてください」という時の本音は商品・サービス、会社、セールスパーソンの三つに対する感情と論理レベルにおける確信度、好感度、信頼度が購買に踏み切るほどは高くないということです。これが本質的な理由ですので、再プレゼンをしてこの三つの要素に関する信頼度、確信度、好感度を上げるというのが重要になります。

 それ以外の小手先のテクニックとして、一時的に見込み客が購買に踏み切る閾値を下げる方法も解説します。

9.意識と無意識

 セールスとは商品・サービス、会社、セールスパーソンに対する信頼度、確信度、好感度を感情と論理の両面からできるだけ高めることです。では感情と論理とはどのように置き換えることができるかということですが、これは意識と無意識です。論理とは顕在意識レベルでの思考であり、感情とは無意識のうちに形成されるある物事に対するイメージです。論理とは簡単に言えば言葉で説明できるもので、これは意識的な行為になります。一方で感情は言葉で表せません。これは愛という概念を考える時に浮き彫りになります。あなたがあなたの配偶者や恋人を何故愛しているのか、論理的に語れば語るほど、そこに嘘が混じります。嘘というよりも論理的に語れるものは愛ではありません。

一番わかりやすい例で言えば、三段論法で、「私は高身長、高学歴、高収入の男性が好きである、太郎は高身長、高学歴、高収入である、故に私は太郎のことを愛している」という例です。このように言われても、誰もが「それは愛ではない」と即座に反論したくなると思います。

 ただし、結婚という契約を締結させるにあたっては高身長、高学歴、高収入は理由の一つになりえます。愛のない結婚を選ぶ人もいます。結婚でさえもそうなので、商取引における契約は論理と感情の両面で行われることがいかに重要かお分りいただけると思います。

 この章ではこのテーマをもう少し掘り下げて意識と無意識について解説します。

10.身体言語

 意識と無意識の二つの要素のうち、無意識の方に焦点を当てると重要になってくるのが身体言語です。身体言語とは身振り、手振り、服装などの総合的な見た目のイメージです。歴史上最も有名なのは天才演説家のアドルフ・ヒトラーです。現在でもアドルフ・ヒトラーが演説前に鏡の前で入念に身振り、手振りの確認を行っていた写真が残っています。この回ではセールスの際に必要な身体言語について解説します。

11.口調、声のトーン

 無意識ということを考える上で身体言語ともう一つ重要になるのが、口調です。話し方といっても良いかもしれません。セールスパーソンがやりがちな最も大きなミステイクはまるでセールスパーソンであるかのような口調で話すことです。人間の話し方は29個に分類することができるのですが、セールスのどの局面においてどの口調を使うのが良いのかということを解説します。


12 口調、声のトーン実録編

 この章では私の実際のセールスの際の音声を公開します。


13.内部表現管理

 セールスとは自分の中にある信念を相手に伝えることです。言い換えれば、あなたの中にこの人はこの商品を買うべきだという強い信念がなければ、相手にもそれが伝わりません。そして、この信念は事実とは正確に一致しません。スポーツ選手でも良い技術を持っているのに、自信を持ってプレーできないが故に結果を残せない選手がいます。一方で、そんなに大した選手じゃないのに「俺はチャンスに強い」という根拠のない思い込みで、技術を超える成績を残す選手もいます。この章ではプロランナーとして国内外を転戦し、その時に使っている心理的テクニックをそのままセールスにも応用した私のテクニックをお伝えします。

14.基準を知ることの重要性

 自分で越えられないと思っていた壁は、成功者の基準を知ることで簡単に越えられるようになる時があります。電話営業初心者でありがちなのは、自分で勝手に「これだけ電話をかけているのに、成約はおろかアポさえ取れない」と落ち込み、自信をなくし、傷つき、やがてやめてしまうことです。ただ、超一流のセールスパーソンでもまっさらなリストに電話をかければ、無料の資料請求でも反応が取れるのは10%程度です。そして、彼らは1日に300〜400件は電話をかけます。超一流の人でも1日300〜400件はかけているんです。そして、そのうち90%は無料の資料請求すらしてもらえません。この基準を知らないと本来悩む必要のないことで悩み、行動を辞めてしまうことにつながります。

 成功者の基準を知るだけで、自分の殻を破ってきた人をたくさん見てきました。私もそのうちの一人です。この回では成功者の基準を知ることの重要性について解説します。

15.モチベーション

 セールスとは数をこなしてなんぼの世界です。従って、モチベーションは技術よりも重要です。技術はピカイチで行動しない人より、最低レベルの技術と燃える情熱を持つ人では後者の方が圧倒的に売れます。ただ、私は根性論は好きではありません。この回では認知科学的観点から見たモチベーションについて解説し、いつもやる気満々でいるためのテクニックを紹介します。

16.プライミングとヴィジュアライゼーション

 この回も認知科学に基づく心理学的テクニックをお伝えします。人間の一つの特徴として、リアルにイメージを持てるものは達成出来るというものがあります。少なくともリアルにイメージを持てるものに対して行動します。これは良い結果に対しても悪い結果に対しても同様に働きます。セールスの世界では売れないと思っているセールスパーソンは売れないような行動をわざわざ自分でとってしまい、売れると思い込んでいるセールスパーソンは売れるような行動をとります。

 これはある意味では当たり前です。売れないと思っている人は義務感だけで電話をかけ、いやいややっているので、まず電話の本数が減ります。また売れないと思っていると自信のなさが相手に伝わるので、成約率が落ちます。

 ただし、だからと言って「やる気を出せ!」、「根性が足りないんだ!」と徒に叱咤激励することは問題の解決にはなりません。この回では成功している自分をリアルにイメージし、断られても断られてもセールスしたくてしたくてたまらない人間になるための心理学的テクニックについてお伝えします。

17.コンフォートゾーンと内部表現

 この回では人間の潜在意識と現実の関係性について解説し、潜在意識のセットの仕方とそれに伴う成功への歩み方を解説します。

18.目標とコンフォートゾーン

 シャンパンヴィジョンとビール基準という言葉があります。これは人は大きなヴィジョンを持ちながらも、実際には小さな基準で生きてしまうという意味です。人間はヴィジョンに引き寄せられます。セールスも見込み客のヴィジョンを引き出し、そのヴィジョンに向けて共通の目標設定をして、その目標達成にリアリティを持たせてあげることができれば、成約率はぐんっと上がります。

 ただ、それよりも重要なのはあなたのヴィジョンを設定し、あなたの当たり前のレベルを引き上げることです。人間は意識で思っていてもなかなか変われません。頭では売れるセールスパーソンになって、月に100万円稼ぎたいと思っていても長らく月30万円で生きてきた人は、基準がそこに設定されているのでなかなか行動できません。いくら頭では「月に100万円稼ぎたい!」と思っていても自己イメージが月に30万円のセールスパーソンであれば、月に100万円稼ぐのは難しいです。月に50万円稼いでしまうと、潜在意識のレベルでは非常に不快に感じ、なんとかして自分の収入を月30万円に戻そうとします。

 このメカニズムを逆に使えば、過去10年間月収が20万円でも、自分の潜在意識の基準を月100万円に設定することができます。そうすると、潜在意識は月に100万円じゃないと非常に不快なのでそこに到達するまで行動し続けることになります。

 ただし、これは良くも悪くも月に100万円です。月20万円のあなたからすれば、夢のような数字かもしれませんが、月100万円にコンフォートゾーンを設定することはあなたから月に200万円稼ぐ可能性を奪うことになります。そこで重要なのがもっと大きなヴィジョンです。大きなヴィジョンと当たり前の基準の両方を適切に設定することが重要です。この回ではその二つを適切に設定するための心理学的テクニックについて解説します。

19.これからのセールスパーソンに求められるもの

 資本主義全体で見た時に、明らかに構造そのものが変わりつつあります。私の祖父や父の時代というのは、まさに日本の経済成長とともに生きてきた世代で、人々の暮らしを大きく変える商品が次々と生まれてきました。代表的なものは電気冷蔵庫、電気洗濯機、テレビ、車、空調機、ガスコンロ、電気炊飯器などなどです。こういった商品はやはり一家に一台あればありがたく、また日本の経済成長に合わせて人々の収入がどんどん上がっていった時代なので購入する方の財布の紐も今より緩かった時代です。代表的なのは1960年から1969年にかけての池田勇人内閣による所得倍増計画でしょう。10年間で平均収入が倍になるのですから、今の時代から考えれば信じられません。

 1969年以降も農業基本法制定により、食卓が豊かになったり、使い捨てカメラなどの大量生産、大量消費の時代になったりとまだまだ日本人全体が同じようなニーズを抱えていた時代でした。

 娯楽に関しても昔はテレビや新聞から受け取る情報を一方的に受け取っていた時代で、ある意味では力道山、ON、巨人軍、大鵬、ビートたけしさん、さんまさん、島田紳助さん、美空ひばりさん、石原裕次郎さんなどの国民的スターも限られた情報源から国民が一方的に情報を受け取っていた時代だからこそ生まれたスターです。

 ところが1993年生まれの私は、もうそういう時代ではありません。生まれてから今までずっと、電気冷蔵庫、電気洗濯機、空調機、車、水洗トイレがあり、何不自由なく暮らしてきました。その一方で、私が生まれた1993年からずっとGDPは一定で、特に私たちの世代は内定取り消しも珍しくなく、派遣社員から正社員になれなかったり、リストラの対象になったりといったことが身近な出来事です。

 私たちの世代の多くは将来に対してそれほど明るい見通しを持っていません。では満たされていないかといえば、そんなことはありません。物が有り余り、音楽も映画も古今東西のものがよりみどりです。しかも極めて格安で手に入ります。娯楽も情報もまるで洪水のように色々なものが入ってきて、確実に価値観の多様化が起こっています。

 格安で色々なものが手に入り、なおかつちょっとやそっと頑張っても収入が増えない時代になりました。こういう時代に人々が求めるのは、個人の感受性に一致するかどうかです。会社もどうせ給料が上がらないなら働きがいのあるところを選びます。収入よりも労働環境を重視する時代になりました。そして、理不尽なことがあっても歯をくいしばって頑張るという人も減っています。内定取り消し、ずっと派遣社員、リストラ、そんな現実を目の当たりにしている私たちは、仕事もフレキシブルかつドライに選びます。

 これは商品購入も同じです。物質的に満たされているので、ベンツもロレックスも一昔前ほど価値を感じなくなっています。買えるかと言われれば買えないけど、それが買える人が羨ましいという価値観はなくなってきています。

 もはや日本国民共通の価値基準みたいなものがありません。大きな希望もないけど、不足もしていない、しかも娯楽は格安でありふれているという時代なので、価値観は今後ますます多様化してきます。黙っていても家電製品がバンバン売れる時代でもない代わりに、一見よく分からないものでも一部の層には強烈に受ける時代です。オタク文化がまさにそうですし、私が販売しているランナー向けの集中講義もそうです。市民ランナーまでがお金を出して勉強し、サプリメントを買い、練習会に参加し、合宿し、高額なシューズを買う時代になるなんて、半世紀前には誰も思わなかったでしょう。

 セールスパーソンも経営者もこういったパラダイムシフトは常に頭に入れて、行動していく必要があります。

ボーナス動画1セールスとマーケティング

 直線説得法では、商品販売を軸においています。ここで理解しておかないといけないのが、マーケティングとセールスの違いです。往々にしてマーケティングの段階でセールスをやり、セールスの段階でマーケティング的なことをしてしまうということが起こります。マーケティングとセールスの違いを正しく理解することで、効率よく顧客を集め続けることが可能になります。

ボーナス動画2ギャンブラー

 セールスパーソンと経営者に求められるのが、起業家精神です。この動画では私がギャンブラーに扮し、ややユーモアも交えながら、セールスパーソンと経営者に必要な起業家精神をお伝えします。実は売れるセールスパーソンと売れないセールスパーソンは同じ現象に遭遇しても、違う世界を見ています。売れているセールスパーソンはどのような世界を見ているのでしょうか?


 今回直線説得法マスタープログラムに興味を持ち、もっと詳しく知りたいという方は、下記の問い合わせフォームの方から、ご連絡ください。

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筆者紹介

​ウェルビーイング株式会社代表取締役 池上秀志

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 2017年9月からブログを書き始め、サイトの収益化に苦戦する。サイトを立ち上げてから初めの約2年半はほぼ無収入。ウォールストリートで年に50億円稼いでいたセールスの天才ジョルダン・ベルフォートより直線説得法を学び、初めての月間20万円、30万円、40万円、50万円と記録を更新し続け、3回目の緊急事態中に自宅から一歩も出ずに月100万円を達成。

 

 現在はブログやユーチューブなどの無料コンテンツの利用者は月間10万人、オンラインと電話だけで、対面営業無しで年間数百人の新規顧客を開拓し続け、年収3000万円。好きなことを仕事にしたい人や顧客獲得に悩む経営者の悩みを解決し、サポートしています。

​ ジョルダン・ベルフォートの直線説得法認定コースを2021年4月2日に修了する。

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